25歳頃のことだったと思う。
社会にある漠然とした矛盾を、不条理という言葉としてはっきりりと意識をしたのは。
カミュー原作の異邦人に出てくる男ムルソーは、殺人の動機をぎらぎらと照りつける
太陽のせい、とした。

とにかく暑く、意識が朦朧とし、一瞬の感情のうねりでもって、
通常の論理的な思考とは対極的な行動をしてしまう。
このような出来事は社会に出ればあまた存在をするもので、
ムカつきや抵抗感、怒りを覚えるのは確かだ。
しかし不思議と、そういった感情なり意識を、言葉でもってしっかりと
認識をすると、とても落ち着くものだ。
良かれ悪しかれは別として、精神衛生上、とても良い。
異邦人は、
あんな感じ、こんな感じと漠然としたイメージを先行させて生活を
していた私に、言葉として認識をして生活することを教えてくれた、
本である。
精神的な側面で一歩前進をするきっかけを与えてくれた書籍である。