唐突なのですが、先日逝去された城山三郎さんの作品「落日燃ゆ」を、ようやく
読み終えました。
実は既に数年前からある方に薦められ、ちょうど一年ぐらい前に
購入したのですが、その頃はどうも読み進めることができなく今日に至ってしまいました。
本とは不思議なもので、まったく読む気になれなかった作品が、突如ある日スルスルと
滑るように読めてしまうことがあります。
その瞬間こそが読むべき絶妙のタイミングなのでしょう。
積ん読という行為はだからこそ、必要なものかもしれません。
戦犯となった、立派な人物広田総理。
このような一言でこの作品を薦められたのですが、立派な人物とはまさに
こうい方にこそ当て嵌まる言葉だなと、強く感動しました。
何としてでも戦争を回避しようと苦心した広田総理でしたが、その度に同胞の軍人たちに
水をさされ、結局敗戦後の東京裁判で絞首刑となってしまいます。
裁判中は自己弁護を一切せず、ただただ沈黙を守ります。
この一貫した姿勢に読書中何度と無く、涙が滲んできました。
歴史を容易に信じるのは危険であり、真実というものはわかりにくいので、
この一冊をもって広田総理を美化してしまうのはいけないことだと思います。
ただ、まったくの絵空事ではないであろうその姿勢は、立派だといわざるを得
ません。
少しでもそんな人物に近づいてみたい。
尊敬される人物とは、やはり物質や名誉のみで自己を豊かに着飾った者ではなく、
豊潤なる精神で満たされた者をいうのだと思います。
人生の目標は、日々より豊潤な精神を作ること、そんな風でありたいと思います。