
帰路、わが社から渋谷駅に向かう時には、246号線を横断しているある長い歩道橋を渡らなくてはいけません。
この歩道橋から見る夜の渋谷駅西口の話なのですが、震災以降、随分と様子が変わりました。
それまでは煌々と照らされるネオンなどの力で、通りすぎる人や見下ろす人々の顔がよく見えていたのですが、今ではそれらをはっきりと認識することができず、気配ばかりが強く迫ってくるように感じられます。
匂い、臭い、笑い声、ひそひそ話し、酒臭さ、これらが混在して気配を作ります。
提灯を下げずには出歩くことのできなかった時代は、この気配というやつがより生々しく感じられたことを想像させます。
目に見えて認識する人間の存在と、目に見えずに認識する人間の存在、みなさんはどちらにその存在の強さを感じますか。