こんにちは。研修担当の馬場です。
早いものでもう12月、師走の忙しさの中で部下についつい声を荒げてしまう。
企業様にお伺いするとそんなお声もお聞きします。
景気復調の兆しが見え始めたとはいえ、
まだまだ日本の景気が回復したとは言えない状況で
上司の方々がジレンマを抱えてしまうのも、
業務にしっかりと向き合っていらっしゃるからこそなのだと思います。
そうした企業様で今注目されているのが<フォロワーシップ>です。
フォロワーシップを辞書でひくと以下のようなことが書かれています。
-------------------------------------------
【フォロワーシップ】
1 指導者を補佐する能力。また、部下としての地位・任務。
→リーダーシップ
2 転じて、指導者に限らず他の人を補佐する能力。
「後輩を支える―に磨きをかける」
(大辞泉)
--------------------------------------------
これによるとフォロワーシップとは、「目的を達成しようとしている誰かを
その目的が達成できるように補佐すること」と言いかえられます。
例え自分がどんな立場だとしても、同じ目的に向かう人を補佐し、
目的達成に導く一因を担う、ということですね。
注目したいのは、この「自分がどんな立場だとしても」というところです。
辞書にも例として、「後輩を支える」ということが出てきますが、
フォロワーシップは何も部下や後輩が目上の人を支えるためだけの
スキルではないのです。
(辞書からの引用でもリーダーシップに繋がるというように書かれています。)
冒頭のつい上司の方が部下に向かって声を荒げて叱ってしまう
というケースでも、このフォロワーシップが上司である自分にも
使えるスキルだと知っていれば、こうした事態になる前に
適切な応対や示唆ができていたかもしれません。
このフォロワーシップ、以前はサーバントリーダーシップということばで
研修テーマのトレンドになったことがありました。
正確にいうとフォロワーシップとサーバントリーダーシップは
同義ではないかもしれませんが、対象の人物を下から支える
というイメージは同じといってよいと思います。
海外へ積極的に進出したり、国籍の別なく社員を採用するなど
ダイバーシティの推進が企業内で進む中、今までのような
引っ張るだけのリーダーシップでは、組織をまとめ、前に進めることは
難しくなっています。
それに加えて、企業の合併や組織改革により
ひとりのリーダーの下にいる部下の数も増えています。
いつもリーダーのトップダウンで動く組織では、
成長が停滞してしまうのです。
こうした状況の中、それぞれの部下の特性や状況を理解し、
上司が部下のレベルまで下りていき、下から支えてやることで
ビジネスマンとしての人間レベルとスキルを上げるように
導いてやるフォロワーシップが成果を上げられるスキルとして
注目されている訳です。
研修のお問い合わせも今までは圧倒的に<リーダーシップ>
というキーワードでお問い合わせが多かったのですが、
今年は<フォロワーシップ>や<部下のフォローアップの仕方>など
のキーワードでのお問い合わせが増えました。
研修内容は企業の中で起こっている「今」を映しているといっても
言い過ぎではないと思いますが、正に今フォロワーシップが
企業には必要とされているのだと、お客様を通じてではありますが、
実感しています。
部下を自律したビジネスマン、ビジネスリーダーに育てるために
必要な<フォロワーシップ>。
使い勝手のいい上司にならないように、うまく活用して
組織を成長させていくことができるといいですね。
